主な登場人物(チーム・ウォルター)
アイザック・ペンドルトン(Isaac Pendleton)アメリカ、ニューヨーク在住の召喚術師。1750年11月19日生まれの266歳。
ペンシルバニア州で生まれた当時は女性であり、本名は「イライザ・ペンドルトン」だが、
魔術師になりたての頃に悪魔と契約して女性であることをやめた
(男性になったわけではないので、現在の性別は「中性」あるいは「無性」である)。
左の頬から首筋にかけて、かつて従軍していた頃に負った傷跡が残っている。
人生に何かと節目をつけたがり、だいたい25年周期で住処を転々とするのが常。
現職は魔術師協会所属の箒乗り、兼ワインレストランの事務・雑用。
髪はアッシュブラウン■、目はブルーグリーン■。
クララ・カタジナ・ハモンド(Clara Katarzyna Hammond)
地元ニューヨーク・ブルックリン区出身のポーランド系アメリカ人。19歳。
魔術師協会に入って日は浅いが、箒による飛行の才能を見出され、
箒乗りで構成される部隊の一員となった。愛用の箒は「シルバー・ライニング」。
容姿も声も少女のように愛らしいが、その物言いは極めて辛辣で、
目上の人間に対しても全く物怖じしないのが美点であり欠点である。
ポンチキ(ポーランド風ジャムドーナツ)とチョコレートに目がない。
現代っ子としては珍しいほど敬虔なカトリック教徒、かつ慈善家。
髪はアッシュブロンド■、目はブルー■。
ジョン・ジェローム(John Jerome)
先日昇進したばかりの新米魔術師。ニューヨーク州バッファロー出身。21歳。
人当たりがよく快活で、誰の目から見ても親しみやすい「いい人」だが、
思考回路に若干抜けたところがあり、職務上しばしばうっかりミスをする。
そのたび同僚たちに食事を奢る羽目になっており、財布にはいつも余裕がない。
調子に乗りさえしなければ、箒を操る腕前はかなりのものである。
実は日本食の愛好家で、宿直の際によくデリバリーの寿司を食べている。
故郷には両親と二人の姉がおり、クリスマス休暇には必ず帰省しているとか。
髪は赤味がかったブラウン■、目はヘーゼル■。
ウェンセスラス・ウォルター(Wenceslas Walter)
箒乗り部隊のチーフを務める男性。アイザックたちの直属の上官にあたる。
本人の言を信用するなら19世紀末のマサチューセッツ州ボストン生まれで、
第一次世界大戦にパイロットとして従軍、撃墜王になったと吹聴している。
現在はクイーンズにあるアパートで、同僚の魔術師とルームシェア中。
マスター・ウィザードへの昇進話が持ち上がる程度には熟練の魔術師だが、
任務中以外は間延びした喋り方のだらけた壮年男性にしか見えないのが難点。
特技は炎魔術と、バーベキューを含む料理全般。好物はシーフード。
髪の色・目の色共にダークブラウン■。白髪混じりの癖毛。
その他の登場人物
イリヤ・ミハイロヴィチ・シラエフ(Ilya Mikhailovich Silaev)ウェンセスラスのルームシェア相手で、ロシア出身の魔術師。34歳。
ブロードウェイに憧れ、歌やダンスのレッスンを受けるために渡米してきたが、
紆余曲折を経て芸能関係に進むことを諦め、魔術師協会ニューヨーク支部に就職。
書記局勤めの戦闘魔術師として、日々書物の山という修羅場を掻い潜っている。
事あるごとに歌い出しては、場をミュージカル調に演出する悪癖を持つ。
クラフト社のマカロニ・アンド・チーズで作るグラタンが大好物。
言動が開け広げで爽やかなため流されがちだが、実は下ネタをよく発する。
髪はプラチナブロンド■、目はダークグレー■。
ヨシノ・シンドウ(Yoshino Shindo)
魔術師協会日本支部から、ニューヨーク支部に異動して十数年になる魔女。
現在は書記局に所属しており、文献の解読・研究等の業務にあたっている。
物語、とりわけ各国の神話や伝承のたぐいを読み始めると止まらない本の虫。
ジョンとは日本食つながりで、美味しい和食レストラン等を教え合う仲。
ブルックリン区にある自宅アパートには、よく近所の猫と鳩が出入りしている。
名前を漢字表記すると「進藤 佳乃」である。出身は島根県松江市。
髪の色・目の色共にブラック■。
アレクサス・ウィンフィールド(Alexus Winfield)
ニューヨーク支部にある箒乗りの教育部隊、通称チーム・アレクサの長。
常に引っ詰め髪とパンツスーツ姿で、魔術師というよりは弁護士か税務署員、
加えて言動は陸軍の教練軍曹を思わせる、苛烈で厳格な黒人女性。
かけている銀縁眼鏡は、マスター・ウィザード就任を祝って家族から贈られたもの。
ウェンセスラスとは旧知の仲であり、箒乗りとしての好敵手でもある。
また彼と同様の愛煙家で、「ラッキー・ストライク」を好んで吸う。
髪の色・目の色共にブラック■。
バートラム・ワイデンライク(Bertram Weidenreich)
極めてわざとらしいドイツ訛りを用いて喋る、ニューヨーク支部の生物管理部長。
実際にドイツ系(帰化済)で、本来の発音は「ベルトラム・ヴァイデンライヒ」。
第二次世界大戦期のドイツ陸軍の将校用コートめいたローブを身につけており、
言動と相まって全く魔術師には見えない。本人曰く「ナチじゃないからセーフ」。
人間の嗅覚の範囲に収まらない、様々な「におい」を嗅ぎ分けることができ、
特殊な魔法生物の発見・管理に一役買っている。使い魔は二羽のワタリガラス。
兄もニューヨーク支部に勤めており、そちらはいたって常識的な人物である。
髪はブラック■、目はアンバー■。左の虹彩は右と比べて濁っている。